二畳台の製作その2
この前のブログの続きになります。
今日は畳床を切った後に、畳床に板を縫い付ける作業を紹介します。
私は、京都で畳の技術を学んだので、板の縫いつけ方は京都流になります。(下の写真のような縫い方です)
関東式の二畳台の製作方法は見たことがありませんが、おそらく京都や関西の作り方とは、違いがあると思います。
板は全部で4枚縫い付けますが、まずは、固定しておいた2枚の板を縫い付けます。
板を縫い終わったら、畳床を裏返しにして縫った糸を締めます。
糸を締めたら、もう1度、畳床を表に返します。
糸を締めた際に寸法がずれるので、ずれた分は修正します。
寸法が決まったら、残りの2枚の板を畳床に固定し、先ほどと同じように畳床に縫い付けます。
縫い終わったら、もう1度裏返して糸を締めます。
糸を締めたら、またずれた分の寸法を修正し、畳を製作する際に使う定規を板に当てて通りを確認します。
寸法、板の通りが完璧であれば、土台が1枚完成となります。
二畳台は、土台が2枚必要になるので、1枚目の土台と全く同じものをもう1枚作らなければいけません。
今回は少し長くなりましたので、続きは次のブログに書きます。
二畳台の製作その1
今日から二畳台を製作している様子を紹介していきます。
畳床に縫いつける板は事前に作っておいたので、畳床を切り落とすところから始めています。
まずは、下の写真のように板を2枚用意し、畳床に固定します。
このときに、しっかりと寸法を決めて、ズレがないようにしなければいけません。
寸法は、紋の寸法を基準に考えます。
二畳台の畳床を落とす場合は、専門用語で「幅」と呼ばれているところから落とします。
それと、二畳台の畳床は、垂直に落とします。(普通の畳を作る際には畳床は少し角度を入れて落とします)
幅を両方落としたら、次は「カマチ」という部分を落とします。
切り落とす部分を全て落としたら、もう一度、寸法を調節して次の作業に入ります。
二畳台の製作に必要なもの
今日から二畳台の製作工程をブログに載せていこうと思っていますが、まずは二畳台を製作する際に必要なものを少し紹介します。
こちらの写真は、畳床に縫い付ける板と二畳台の柱を撮影したものです。
この板と柱を作るのには、結構、手間がかかるので、1番最初につくりました。
この板の寸法がずれていると仕上がりに影響するので、かなり丁寧に仕上げてあります。
この写真は、畳を縫う際に使用する針を曲げたものです。
普通の畳を製作する場合には、使用しませんが、二畳台や拝敷を製作する際に使用します。
写真には、大きい針と小さい針が写っていますが、作業の内容によって使い分けます。
明日からは、実際に製作している様子を紹介します。
手縫いに必要な道具。
畳を作るには、いろいろな道具が必要です。
その中でも一番重要なのが、手縫い用の針と手あてという道具です。
畳用の針は、普通の裁縫などで使う針とは違い、写真に写っているような、かなり大きい針になります。
畳用の針には、いろいろな大きさがあり、作業の内容によって使い分けます。
もう1つの道具の手あては、畳を縫うときに、手にはめて畳を縫い易くするもので、この手あてがないと、藁でできた畳床は縫えないです。
手あては、基本的に、古い縁で作っていて、針が貫通しないように、中に手あて専用の金属が入ってます。
今回は、針と手あての写真しか撮影していなかったので、今度は、実際に手あてをはめて畳を縫っている写真を載せますね。
それと、先週、作っていた二畳台が完成しました。
写真の編集が出来たら、紹介していこうと思ってます。
二方縁の二畳台
現在、二方縁の二畳台を作成中です。
二畳台というのは、主にお寺などで使用される特殊な畳です。
当店のホームページやもう1つやっているブログでも紹介していますので、興味がある方は一度覗いてみてください。
今週中には完成させるつもりなので、完成したら製作過程を少しずつ紹介していきますね。
今日からブログを始めます。
私は、熊本県で畳の仕事をやっている畳職人です。
最近の畳屋の仕事では、ほとんど機械を使用して、作業をやっていて、畳の手縫いを高いレベルでやれる人が少なくなっています。
機械を使えば、作業は早く済み、仕事を効率よくこなすことができますが、私は、畳を作る基本は手縫いをしっかりやっていないと身に付かないのではないかと考えていて、定期的に畳の手縫いを練習しています。
このブログでは、手縫いの畳の製作過程などを紹介していき、手縫いのやり方、こだわりなどをお伝えできればと思っています。
このブログは、少し専門的な内容になるかもしれませんので、畳のことはあまり分からないという方は、左のブックマークにある当店のホームページをご覧下さい。